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【5分対策⑨】相続って?|遺産分割や相続人の順序を解説【図解・法律解説】

今回は、相続についてみていきます。

相続とは

そもそも相続とは、人が死亡した際、その人の財産法上の地位又は権利関係を、特定の者に承継させることを言います。この場合、死亡者の財産を承継する人を、相続人、死亡者本人を被相続人と言います。そして、相続の対象となる財産を相続財産と呼び、別名「遺産」とも呼ばれるものになります。この相続財産には権利関係も含まれるため、その人が持っていた土地や預金等の「積極財産」のほか、借金などの「消極財産」も含まれます。

相続は、被相続人が死亡すれば、自然と生じます。これを法定相続といい、「誰に」「どのくらいの財産」を承継させるかも法律により決まります。もっとも、遺言により法定相続とは違う承継をさせることもでき、これを遺言相続と言います。おもに揉めるのは、遺言相続ですが、まずは基本となる法定相続についてみていきましょう。

相続人について

まず、「誰に」財産を承継させるか、つまり「だれが相続人となるか」ですが、これは887条、889条、890条に規定されています。


それによると、まず①、配偶者、すなわち夫や妻は常に相続人となります。

そして次に、「血族」の間で優先順位が定まっています。まずは、②第一順位の相続人として、被相続人の「子」が、子が死亡している場合には、孫やひ孫などの「代襲相続人」が相続人となります。代襲相続とは、相続人となる子や兄弟姉妹が死亡しているため、その直系卑属にあたる者が、代わって相続人となることを言います。

そして③、第二順位として、親や祖父母などの直系尊属が、④、第三順位として兄弟姉妹やその代襲相続人が、相続人になります。相続が開始するときに、もっとも上の順位の者が配偶者と並んで相続人となる訳です。

相続分

次に、「どのくらいの財産がもらえるか」、すなわち相続分についてみていきます。

まずは、被相続人が遺言により相続分を決めていた場合には、「指定相続分」として、どのように財産が分配されるか決まります。そうでない場合には、「法定相続分」にしたがって分配されるわけです。

法定相続分は900条に規定されています。まとめると次のようになります。
①配偶者と子が相続人の場合、配偶者2分の1、子2分の1。
②配偶者と直系尊属が相続人の場合、配偶者3分の2、直系尊属3分の1。
③配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1。
④配偶者がなく、子、直系尊属、兄弟姉妹が単独で相続する場合、全額。但し、子、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合、その間で均等に割り振られます。

相続財産の共有・遺産分割

このように相続分が決まっても、すぐにその割合に応じた財産が割り振られるわけではありません。


相続財産は、一度相続人たちの「共有」状態となり、その後に「遺産分割」を行うことにより、それぞれの持分に応じた財産がもらえます。共有状態になるため、それぞれに相続分という持分があったとしても、相続財産を勝手に処分したりすることはできません。あくまで、「権利の一部」を持っているに過ぎないためです。

遺産分割とは、その名の通り、共有状態にある財産をそれぞれの相続人に分け与えることを言います。分割は、被相続人の遺言により、「指定分割」という形で行われることもありますが、相続人間の「分割協議」により行われることもあります。ドラマなどで遺産を巡ってもめているイメージがあるのは、この分割協議の段階です。分割協議が整わない場合には、家庭裁判所に審判を付託し、分割してもらうこともできます。

限定承認と放棄

相続は、原則として被相続人の財産を丸ごと承継することになります。これを「単純承認」といい、積極財産のほか、被相続人の借金も全て背負うことになります。

これに対し、「限定承認」という手段をとれば、被相続人の借金などの消極財産について、相続によって得た積極財産の限度においてのみ支払う責任を負うことになります。つまり、1000万円の借金があり、300万円の積極財産を受け継いだ相続人は、300万円のみ借金を背負うことになる訳です。

また、積極財産もいらないと言う場合は、相続の「放棄」をすることで、積極財産・消極財産どちらも承継せずにすみます。

まとめ & スズトリYouTube版

今回は、相続についてみてきました。YouTube版もあるのでどうぞ↓