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【5分対策③】民法|意思表示の流れと93条の心裡留保、意思の不存在を解説【図解】

今回は、民法総則の中でも特に重要な意思表示に関する話をしていきます。

意思表示とは…法律効果の発生「法律行為」

例えば、Bさんが持っている絵画を買いたいAさんがいたとします。このときAさんは、「絵画の売買」という「法律効果」を発生させるために、「この絵画を買います」とBさんに伝えます。これが意思表示です。この意思表示に対し、Bさんは「売ります」という意思表示をします。この相互の意思表示が合致することにより、「売買契約」という法律効果が発生する、という流れになる訳です。そして意思表示を用いて、意思表示通りの法律効果を発生させる行為を、「法律行為」と言います。

意思表示は、法律上の効果が発生するきっかけとなるものであるため、重要なものとなっています。

意思表示の流れ…4つのステップ

意思表示にはいくつかの段階があるとされています。①動機、②内心的効果意思、③表示意思、④表示行為、の4つです。

例えば家を建てるために甲土地という土地を買おうとする場合、まず「家を建てる土地が欲しい」という「動機」により、「甲土地を買おう」という「内心的効果意思」をもちます。そして「手紙で『買います』と伝えよう」という「表示意思」を生じ、「『甲土地を売って下さい』という手紙を出す」という「表示行為」にでるわけです。

これらの段階全てがきちんとかみ合っていれば、有効な意思表示となる訳です。問題となるのは、どれかが欠落してしまった場合や、意思と表示との間にずれがある場合など、完全ではない意思表示が行われた場合です。総則においては、大きく分けて4つの場合があります。ひとつずつ見ていきたいと思います。

心裡留保…いきなり「表示行為」を行った場合

心裡留保は、①から③をすっとばしていきなり④の表示行為をすることを言います。例えば、AがBに対し、10万円で土地を売ろう、という意思表示をする場合です。当然本当に10万円で売るつもりもなく、あくまで冗談として言っただけであるため、心裡留保にあたります。心裡留保は、93条に規定されていて、94条の虚偽表示と同じく、「意思の不存在」という類型にあたります。

このような心裡留保のある意思表示は、93条1項により、原則有効となります。売ると言った以上、その責任をきちんと果たすべきだと考えられるためです。

このように、表示がなされた以上、その表示通りの効果を発生させるべきだとする考え方を、「表示主義」と言います。反対に、表示がなされたとしても、真の意思をくみ取ってあげて表示を無効とする考え方を、「意思主義」と言います。
意思表示に問題がある場合にどちらを採用するかは、意思表示をした者に帰責性があるか否か、平たく言うとその人が悪いと言えるかどうかで決まります。

ただし、意思表示を受け取った者が、意思を表示した者の真意、すなわち「売るつもりがない」という意思を知っていた、もしくは知ることができた場合、意思主義をとり、意思表示は無効となります。売るつもりがないことを知っているので、意思表示を無効にしたところで何も問題ない訳です。先ほどの例だと、10万円という価格は明らかに冗談だとわかるため、「真意を知ることができた」Bに対してAは、意思表示の無効を主張できることになります。

第三者がいる場合…善意の第三者に対抗することはできない

しかし、93条2項は、「意思表示の無効は、『善意』の『第三者』に『対抗することができない』」と規定しています。

まず「善意」とは、「ある事情を知らないこと」を指します。反対に「悪意」とは、ある事情を知っていることを指します。93条においては、「意思表示をした表意者に、意思が存在しないこと」を知らなければ、善意となる訳です。

条文によっては、善意で「かつ過失がない」ことを要求している場合もありますが、これは「知らなかったことにつき過失がない」ことを必要としているという意味になります。「できる限りの調査を尽くしたものの、当該事情について知ることができなかった」というような文言がある場合には、「無過失」と認定できます。しかし「何も調査もせずに契約した」というような文言がある場合には、過失があるとして保護されないことになります。

そして「第三者」とは、意思表示をした者とそれを受け取った者、つまり「意思表示の当事者」及び「その包括承継人」以外の者のこととされています。包括承継人とは、相続人などのことを指し、法律上当事者と同じ人物としてみなされるため、第三者からは外されるという訳です。

先ほどの例でいうと、10万円で土地を買ったBが、Cにその土地を転売した場合のCが第三者にあたります。Cが善意であった場合、AはCに対し意思表示の無効を「対抗することができない」ため、意思表示が無効となったことを主張できないことになります。Cは、Aが10万円で土地を売るつもりがないことを知らないため、取引の安全を保護するべきであるためです。

まとめ & スズトリYouTube版

今回は、意思表示についての説明と心裡留保についての話を見てきました。YouTube版もあるのでどうぞ↓